お酒の瓶の底に沈殿物が…。 菊姫 山廃純米酒 鶴乃里
ネットで御注文をいただいたお客様より、お届けしたお酒についてのご質問をいただきました。(一部内容を変更させていただいております)
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「鶴の里」についてですが、お酒の中に浮遊物が多く混じっているのですが、これは特に問題無いのでしょうか?
見た感じでは酒カスのような物ですが、ネットでいろいろ調べても浮遊物が入っているような記述は無く、疑問に思い確認させて頂きたくメールさせて頂いたものです。
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お届けさせていただいたお酒は『菊姫 山廃純米酒 鶴乃里』と言うお酒で、全国で300軒ほどの地酒専門店有志で構成している『菊姫会』の会員店だけで販売しているこだわりの山廃純米酒についてでした。
お客様が気が付かれた浮遊物ですが、通常は瓶の底に沈殿しています。 配送中に瓶の中へ浮いて出たものと思われます。
このようにお酒の中に出てくる浮遊物は、タンパク混濁(白ぼけ)です。
清酒には麹由来の糖化酵素が溶け込んでいますが、これらは火入れによる熱変性を受けると不溶性の微粒子となります。 これらが貯蔵中にどんどん結合し生長してくると酒の濁りとなったり沈殿物となり肉眼でも分かるくらいに現れます。
この事を【タンパク混濁】または【白ボケ】と言います。 この現象は酒質や味わいには影響がございません。 安心してお召し上がりいただく事が出来ます。
味わいを大切にする菊姫さんのお酒ですが、お酒の持つ旨みや濃醇さを求める為、製麹時間を十分にとり酵素力の強い麹を造っています。 そのため、清酒の中に含まれる白ボケの原因物質の量が多くなってしまいます。 特に純米酒などは、アルコールの添加も無い為、内容成分の濃度が高く、白ボケを生じやすくなります。
白ぼけの防止方法として、柿渋などを使い清酒中に含まれる酵素タンパクを凝固・沈殿させて取り除く、いわゆる【おり下げ】をする方法があります。
しかし、この【おり下げ】は【白ぼけ】防止には効果があるものの、一番大切な旨み成分までも一緒に取り去ってしまいます。
そのため、味わい重視の菊姫さんではこの【おり下げ】を一切行っていません。
【白ボケ】は旨いのあかしです。
安心してお召し上がりいただけます。
それにしても、このお客様からのお問合せには感謝いたしました。
今後、この『鶴の里』を販売する時は、商品説明のメモを付けさせていただこうと思い準備致しました。
私が気が付かない事で、お客様にお伝えしなくてはいけない事が他にもあるのでしょうね。 普段からお客様の立場に立ってと思っているのですが、難しい事ですね。
菊姫 山廃純米酒 鶴乃里
720ml 2,100円 / 1800ml 4,200円
商品ページ → http://konchikitai.com/kikuhimetsurunosato.html
鶴乃里のタンパク混濁の様子です。 品質及び風味に問題はございません。
菊姫 山廃純米酒 鶴乃里 720ml 2,100円 / 1800ml 4,200円
コメント
最近、自分のブログサボりまくりのロドリゴです。
いつも勉強になります。
投稿者: ロドリゴ | 2007年02月12日 20:53
ロドリゴさん、
何だか、最近はお忙しそうですね。
某アパートでまったり、ふーん、まったり。
たまには良さそうですね(^。^)
投稿者: おやじ@こんちきたい | 2007年02月14日 14:24